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松山市で漢方をお探しの方は東雲薬局にお任せ下さい。アレルギー・自律神経失調症・更年期障害・肝臓・心臓・胃腸・神経痛・リウマチ・前立腺・糖尿・痔・痛風・コレステロールなど体質や症状にあわせて調合いたします

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〒790-0004 愛媛県松山市大街道3丁目2-43

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漢方にも ○○病の薬がありますか?

「漢方にも○○病の薬がありますか?」とよく電話で尋ねられます。「さあ、患者さんによって薬も違うので。」と申し上げると、ちょっとガッカリされるようです。実は漢方は病名で薬を選ばないのです。  
尿検査のたびに血が混じっているという人がありました。腎臓に問題がある訳です。他に症状もなく、とても健康そうです。子供時代まで遡って話を聞き、彼が小柴胡湯(ショウサイコトウ)という薬の体質だと分かりました。さっそく小柴胡湯を使って、驚くほど早く良くなりました。 でも、自分も同じ病気だから、その小柴胡湯というのを試したいというのはいけません。薬の一人歩きが一番危険です。本当の漢方は病名でも症状でもなく、独特のルールで選ばれます。  
そもそも、小柴胡湯が二千年前の医学書に載ったときは、風邪薬でした。もちろん、今でも風邪に使います。うちの孫の常用薬です。でも妻や娘の風邪には決して使えません。  
本当にその処方が使えるかどうか、判断が大切です。  
唐の時代の千金方という医学の書物に「医学を学んで三年、これで治せない病気はないと思ったが、治療に携わること三年、今では本当に効く処方はあるのかと思ってしまう。」という意味のことが出てきます。漢方薬が使えるようになるには数十年の学習と経験が必要なのです。  
実は、この腎臓病の人が早く完治したことに、もう一つ理由があります。この人は眼光鋭く、仕事が早く、赤ら顔で、カッと怒る性格だ、という事で黄連と言う薬草を粉末にして兼用してもらったのです。黄連は小柴胡湯だけでは取り切れない炎症を取り除きます。黄連は怒りを消します。心に怒りが有れば、身にも炎が有るのです。
【千金方巻一】
世に愚者あり。方を読んで三年、すなはち言う、天下に治すべき病無し。病を治すること三年に及び、すなはち知る、天下に用うべき方なし。(世有愚者.讀方三年.便謂天下無病可治.及治病三年.乃知天下無方可用.)


自分に合った漢方を自分で選びたい。

お気持ちは分かりますが、これが意外に難しいのです。
ある病院勤務の薬剤師さん、自己判断で、月経痛に桂枝茯苓丸というのを飲みました。痛みが無くなり、頭痛や肩こりまで治って、大成功と思ったのですが、数ヶ月後に貧血で倒れました。  
桂枝茯苓丸は、悪い血を体の外へ追い払う処方です。薬が強すぎて、良い血も追い出してしまったようです。「虚と実」を見誤ったのです。  
私は温経湯という処方を推薦しました。悪い血は追い出し、良い血を増やします。「守りつつ攻める」です。表面的な症状だけ見て、背後の体質条件が見ぬけないと、処方を誤ります。  
新聞社のAさん。風邪が抜けない万年風邪などと言って、毎日、風邪薬の葛根湯を飲んでいます。サムケや頭痛がして辛いのですが、葛根湯を飲むとやや良くなります。飲まないと身体がだるくて寒いのです。  
私は脈を診て、この人の万年風邪は「内寒」だと判断しました。内寒とは身体の内部の冷えです。この人のサムケの原因は体の内部の冷えなのです。しかも葛根湯に陽気を発散され、知らない内に消耗が進んでいます。ポピュラーな葛根湯ですが、使い方を誤ると怖いのです。   
葛根湯は、皮膚の毛穴を開き、汗をかかせて風邪を治す「外寒」、つまりは体の外の冷えの処方です。一時はサムケも去りますが、内部の冷え「内寒」は解決しません。体力のない人が続けると、消耗が起きます。 お気に入りの葛根湯は止めて、身体の内部を温める処方に変更。すると身体が芯から暖まり、元気は倍増しました。「虚と実」「内と外」は漢方医学の重要な概念です。

ショウガって身体に良いの?

友人の相談。この頃、脈拍が多く、1分間に100を超える。たまにドキドキする事がある。脈拍は普通は70位だから、確かにおかしい。しかも、なぜか顔が真っ赤。それに奇妙なことを言う。
「身体は、暖めた方が良いんだろ?身体が暖かいと癌にも成らないらしいよ。」
「それ以上、熱くしたら、のぼせるんじゃない?今でも顔が赤いよ」

原因が分かった。この頃、彼はショウガに凝って、ショーガのアメ湯に更にチューブのショウガも追加して、毎日飲んでいる。
脈拍が多いのは心不全じゃないだろうか。速くフワフワした力のない脈である。結代はない。あんまり暖めると、風呂に長時間つかりすぎた時と同じで、心臓が弱る。
心臓を元気にする漢方を処方した。もちろん、ショウガは止めてもらう。
その後、脈拍は落ち着いたと電話があったので安心していた。ところが、10日ほど経って「心筋梗塞になって手術した。」と電話をもらって驚く。
退院後に聞いた話。
一週間ばかりは順調だった。顔も赤くなかった。しかし何となく不調になり、近所の内科に受診。分からないが、疲労だろうと言われ、しばらく医院の二階で休んでから出社するようにと言われた。午後になり挨拶して帰ろうとすると、ふと医師が「心電図だけ、取ってみるか」と言った。ところが心電図の結果は心筋梗塞。あわてて救急車で大きな病院へ搬送、手術。
私も反省している。心臓を疑ったのに循環器科を受診するように勧めなかった。ショウガ恐るべし。

危険な中国の薬

中国旅行。添乗員さんが、消渇丸という糖尿病の薬を何十個も買っています。名前が漢方みたいですから、糖尿病の漢方だと思っているようでしたが、血糖を下げる化学薬品が含まれています。危険性を指摘しましたが、みんなに頼まれているからと聞いてくれません。数年後の日本の新聞に消渇丸で重大な事故が起きた事が出ていました。
糖尿の人に薬を処方するとき、お医者さんは大変気を遣います。糖尿病の内服薬で血糖が下がりすぎ、植物人間になった例もありますから、いきなり血糖の下がる薬を出したりはしません。
中国では阿斯匹林(アスピリン)維生素(ビタミン)など何でも漢字ですから、漢方薬と勘違いします。日本とは医薬品製造の法律も違います。素人が自己判断で使用すると危険な成分が含まれることも多く、「隠し味」などと言って外箱の成分表に表示のない成分が混入されていたりします。
中国で製造されている薬は、一部除いて、日本への輸入は法律で認められていません。旅行で買ってきたり、個人輸入したりしないほうが良いのです。特にインターネットで売られている物には怖い物が沢山あります。(私の所では扱いがありませんが、僅かな品目が非常に厳しい審査を経て医薬品としての輸入許可を得ています。)
漢方にも、マウスの実験で血糖値が下がることが確認されている薬草がたくさんあります。ただ不思議なことに、誰にでも有効な化学薬品と違って、ヒトに対しては体質条件が合致しないと効果を発揮しません。それぞれの患者さんの体質が重要です。
消渇丸にも薬草が含まれています。しかし、これらは見せかけに過ぎず、化学薬品が血糖を下げさせるのです。


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